国際フォーラム1998/12月号インターネット版

主な記事を紹介します。

国際ふぉ〜らむ No.127

1.世界人権宣言50年

2.アンカラ通信(No.1) 若い男は姿勢がいい

3.歌姫からの手紙

4.国際協力県民講座で村上会長が講演!


世界人権宣言50年

 12月10日は1948年(昭和23年)に国連総会で「第一条 すぺて人間は、生れながら自由で、尊厳と権利とについて平等である。・・・で始まる「人権に関する世界宣言すなわち「世界人構宣言」が採択されて50年目の記念日でした。日本では政治や経済それにアジア大会のニュースの影に隠れた感じでしたが、世界各国で記念の行事が行われたようです。なお、50年前の日本はGHQの占領下で国連にも人れてもらっていませんでした。
 この機会に改めて「世界人権宣言」を読んでみると、50年前に宜言されたものとは思われないほど、現代に問いかけるものがあります。「移転及ぴ居住の自由」とか「国籍を有する権利」とか「結社の自由」が認められていない人たちが世界中にはたくさんいます。さらには「生存、自由及ぴ身体の安全を享有する権利」さえもふみにじられてしまう場合もあります。世界各地で頻発する“民族紛争”はその例です。半世紀経っても世界は「世界人権宣言」の目指した“世界”を実現できていないのです。
 「思想・政治・宗教・民族・国籍・人種の違いを越えて、国際平和を願い、・・・・」これはみなさんよくご存じの「津山国際交流の会」の“規約”の“前文”です。「第二条 1 何人も、人種、皮膚の色、性、言語、宗教、政治上若しくは他の意見、国民的若しくは社会的出身、財産、門地又は他の地位というようないかなる種類の差別も受けることなしに、この宣言に掲げられているすべての権利と自由とを享有する権利を有する。」とよく似ていると思いませんか。“規約”をつくる際に「世界人権宜言」を意識していたわけではありませんが、「津山国際交流の会」の存在自体が「世界人権宜言」と目指すところが同じになってしまいました。12年目の「津山国際交流の会」も「世界人権宣言」のめざす“世界”作りに微力を注ぎましょう。


お待ちかね! 留学中の村上育子さんからのトルコ通信第1弾です

アンカラ通信(No.1) 若い男は姿勢がいい

ANKARA

 津山はその後変わりはないですか?台風の後遺症はいかがですか?
 さて私は11月10日から2週間ほど暮らした私立の学生寮を出て、ひとり暮らしのご婦人の家に部屋を借りています。とても広くてきれいなお家です。加えて大変きれい好きの方で、生活も比較的豊かな方のようです。電気製品は大抵のものがそろっていて、何と食器洗い機まであります。このご帰人はとても現代的で、もちろんスカーフはされていません。行動的な方のようで、友人たちと出かけたり、集ったりということが多いようです。
 トルコ人、とりわけここアンカラなどの都会では、人々の暮らしぶりは日本と変わらないと思われます。朝の出勤風景での人々の服装や物腰、通りの商店街では開店に備えた清掃や準備に精が出ているし、Kiosk(キオスク)のような小型の売店やパン屋は早朝から開いています。シュミット(ドーナツ型のゴマパン)売りは戸外の(この季節ではかなり寒いと思うのですが)屋台で商っています。Lokanta(ロカンタ;食堂)やPastane(パスタネ;ケーキ屋さん)では若いボーイたちがクルクルとよく働きます。こういう風景を見ていると、トルコの人たちって全体的には精勤というか働き者が多いんじゃないかと思います。ただし「サラリーマンや公務員の給料は安いし、失業者も多い」そうで、「暮らし向きは厳しいものがある」とのことです。(これは軍事費にお金をかけすぎているせいではないかと思うのですが、この国の地政学的な位置を考えると仕方ない面もあるのでしょうが。)でも、(油を多く使いすぎると思うけど)全体的に食べるものは豊富でしかもおいしものが多いと思います。通りのケーキ屋さんでもケーキやクッキーやパン類の種類も豊富で、見た目にも楽しいものがあります。Lokantaでもケパブばかりでなくいろいろな惣菜が並び、野菜(トマト、ししとう、なすぴ、キュウリなど)を豊富に使ったものが多いです。
 衣類もさまざまで、おしゃれな人が多いと思います。着ているもの、そのセンスなど、日本の都会と変わりません。女性はスラック姿が多いです。街の女性は老いも若きも大体スラリとした人が多いようです。(田舎では年配の女性はズングリ姿が目立ちますが)。それからひとつ気づいたのですが、皆姿勢がとてもよく、歩く時はさっそうと風をきって歩いています。とりわけ若い男性の姿勢がいい(これは日本と比ぺての話ですが)。単に体型的に長身だとか足が長いとかではなく、背筋が伸びているということです。ネコ背の人やグニャグニャした歩き方の人はあまり見かけません。これは男性に兵役があることと間係があるのでしようか?!
 アンカラはイスタンプルにくらぺ落ち着きがあって暮らしやすい気がします。大都会で、休日には市街の人ごみはすごいのですが、それでも何となくイスタンブルよりは安心感が持てます。いちいち日本語で話しかけられたり、旅行者かと尋ねられたり、東アジアの人として珍しがられたりしないので、とても気楽です。
 ただ、このところ朝は冷え込みます(咋日−2℃)〈日中は10〜15℃くらい)。昨日初めてコートを着ました。家の中は暖房が効いているので、半袖の時もありますが、戸外の寒さ段々厳しくなるのでしょう。
 津山の冷込みもかなり厳しくなっているでしょうね。みなさん、身体を大切に。  それではまた

1998年11月12日 トルコの首都アンカラにて

アンカラ大学留学生 村上育子


歌姫からの手紙

 覚えていますか、セネガルのベルーさんを。歌の上手な人でした。彼女の歌う歌はいつもみんなの感勤を呼び起こしましたね。特に♪Femme noire,femme africaine〜(ファム ノワール ファム アフリケーヌ〜)で始まる「アフリカの母の歌は素晴らしかったです。そのベルーさん、帰国後イギリスで11ヵ月の"Educational Management(教育管理)"の研修を受けていたそうてす。優秀な人なんですねえ。そのベルーさんから手紙が届きましたので、内容をかいつまんでご紹介しましよう。(原文は英語です) なお、ローマ字は原文のままです。

 O−genki desu ka?
 長い間手紙を書かなくてごめんなさい。あなたたちの美しい町津山にお招きいただき、良くしてくださったことは、とても素晴らしく、心に残るものとなりました。"Iroiro arigato gozaimashita","Omoshirokatta desu".
 なぜ手紙を書かなかったかというと、"British Council(英国文化振興会〉"の奨学金が得られたのでイングランドのレスター大学で11ヵ月間“教育管理”の上級研修を受けていたためなんです。日本から帰国して1ヵ月後の12月25日にダカールを発ち、この11月5日に帰ってきました。イングランドでは忙しく、あなたの住所も持っていなかったので手紙を書けませんでした。ホストファミリーにだけは手紙を出したのですが、返事がまだありません。たぶん届かなかったのでしょう。
 津山で過ごしたこと、とりわけホームステイをしたことが、日本での滞在を素晴らしいものにしてくれました。3日間は短すぎました。家族は親切で礼儀正しく、寛大でした。秋祭りなどの興味深い催しに連れていってくれましたが、特に忘れがたいのはカラオケでした。
 日本に1ヵ月いて政治・経済・文化など色々なことを学ぴましたが、一番驚いたのは、東京・津山・広島・京都と回ってみても、どこでも同じような生活レベルが維持されていて、フランスやイギリスなど西側の世界で見た絶対的な貧困が日本には存在しないということでした。
 この前の土曜日、セネガルの国営テレビが日本のドキュメンタリーを放送しました。私たちの行ったことのある東京の景色や広島・長崎・大阪・京都も映りましたが、津山は見せてくれませんでした。京都で私たちに日本の教育システムと日本人の価値観について話をしてくれた京都の大学のオガワ教授がインタビューを受けていました。オガワ先生にテレピでお目にかかれてうれしかったです。
“いつになったら日本に戻れるのだろうか”“愛しい津山に住めるのはいつ”と自問しています。"Minasan no koto wa wasuremasen"
 感謝の気持ちを歌にしました。題名は"You've done a lot(よくしてくれた)"。あなたがとっても好きな"Femme noire,femme africaine"のメロディーです。
 もう年の瀬です。来年1999年が皆さんにとって素晴らしい幸せな年でありますように。
 Sayonara,Jamata,Berousan

国際協力県民講座で村上会長が講演!

    開発途上国の人々のために国際協力活動に関わっている人たちの話を聞き、今私たちに何ができるかを一緒に考えようという主旨で(財)岡山県国際交流協会等が主催の講座の第2回目に村上会長が講師となります。

    ちなみに第1回は1/19(火)、第2回は1/20(水)、第3回は1/21(木)
    時間は全て18:30〜20:00
    場所は、岡山県国際交流センター3F研修室(要申込:086−256−2914)


おしらせ

  • 推進委員会の曜日変更
      諸般の事情により今年度中は(3月末まで)は毎週水曜日に変更します。(現在毎火曜を変更)

  • 津山国際交流フェスティバル
      ’99年2月7日(日)開催
      場所:津山婦人青年の家
      時間:10:00〜15:00
      参加費:未定(500円程度?)
      内容:検討中
        [案]
        各国料理 ミニ講演会
        質問コーナー、クイズ・ゲーム
      申し込み・問合せ:岡本事務局長まで


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