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過去ブログ(2012年9月-10月) |
2012年9月11日 野球観戦のスタイル
先週の金曜日、ハーバード大学で研究しているほかの皆さんと一緒に、フェンウェイ球場にレッドソックス対ブルージェイズの試合を見に行きました。
ところが試合直前に激しい雨が降り始め、7時10分開始のはずが(これがすでに遅いんですが仕事の後に見に行くには良い時間)、1時間遅れて8時20分スタートとなりました。試合は、ブルージェイズの一方的な試合で盛り上がりませんでしたが、観衆のみなさんが、時間を気にすることなく、ゆったりと観戦を楽しんでいるのには驚きました。金曜とはいえ、まだほとんどの人が残っています。
私は、10時半ごろ、6回裏が終わったところで帰りましたが、家についたら12時でした。
気がついたことをもうひとつ。アメリカでは大きなスポーツイベントの前に、アメリカ国歌の斉唱(斉聴?)があります。スタンドにいる人は、とりあえず起立します。熱心に歌う人もいますが、実際のところ、歌っている人はあまりいません。スタンド裏に行くと、みなさんがやがやと食べ物の注文を待っていたりします。スタンド上部では、ホットドッグを食べたりビールを飲みながら、なんとなく立っている人も多く見かけます。どんな場面でも、多様性を失わないのがアメリカかもしれません。国歌斉唱時、スタンドのあちこちを観察しながら、そんなことを思いました。
関連して言っておくと、日本ではいくつかの自治体が教員に国歌斉唱を義務づけていますが、日本以外の欧米先進国では、どのような場面であっても、国歌を歌うか歌わないかは個人の自由です。それは、論争になることさえない問題です。一部に誤解があるようなので、付言しておく次第です。
2012年9月3日 レイバー・デー
今日(9月の第一月曜日)はレイバー・デーで、夏の終わりを告げる3連休の最後の日でした。
レイバー・デーは直訳すると「労働者の日」ですが、日本の「勤労感謝の日」よりは「メーデー」にずっと近いもので、労働者の社会に対する経済的、社会的貢献を祝う日とされています。アメリカは州によって祝日が異なりますが、レイバー・デーは全州が祝日としています。
ところで話は変わりますが、アメリカは、欧州のように日曜日にスーパーなどの小売店が休みになるということはありませんが、通常の宅配便は休みになります。アメリカは、物流機構が非常に発展したところで、日本企業にはまだたくさん学ぶことが残されていますが、日曜日は休みです。祝日も休みです。これはUPSもフェデックスもDHLも変わりません。連休だと、2日間、宅配が休みとなります。今、日本でそんなことをしたら、運送会社には苦情が殺到すると思いますが、アメリカはそれでOKのようです。日本からこちらにきたころは少し不便に感じましたが、慣れればどうということはありません。本当に急いでいるときには、追加料金を払って特急便を利用できます。
便利なことはいいことですが、私たちは、サービスの受け手であると同時に、サービスの供給主体でもあります。他者への過剰なサービスの強要は、めぐりめぐって、最後は自分にかえってくることになるでしょう。日本はアメリカにくらべて、便利さへの志向が強いように思いますが、それがしばしば無理な働き方を生み出しているようにも思えます。不便さがもたらすことのできる豊かさについて、もう少し考えてみたいと思います。
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