正直、よくもまあこれほどの歴史映像を集め、そしてまとめ上げたもんだと感服しました。
世界の近代歴史資料としても大変貴重な作品です。
観ていて胸を熱く突き上げてくるこの感覚は一体何なんでしょうか。
映像は真実そのものや人の心まで的確に再現できるとは限りません。
でも、映像は一瞬で人の心を捕え、歴史を血の通った物語に変えてくれるのもまた事実です。
時代に翻弄された人々の苦悩や運命、
それら人々が生きた証の断片がこの映像群に刻み込まれています。
だからこそ観る側の心が揺り動かされ、熱い感情が生み出されるのでしょう。
現代に至る歴史というものは、その流れの中で決してぶつ切りに区別されるものではなく、
精神や思考と共に連綿と受け継がれていくものです。
それら人々の歴史を受け継ぎ精査し探求していく事が、
「激動の20世紀」から続く「新たな世紀」という時代を読みとくカギになると思います。
この作品はそんな想いの手助けとして余りある役目を果たす内容でした。
「映像の世紀」DVD・CD各巻の詳細・簡単な用語解説・感想レビューを紹介。
第1集
20世紀の幕開け
~カメラは歴史の断片をとらえ始めた~
第2集
大量殺戮の完成
~塹壕の兵士たちは凄まじい兵器の出現を見た~
第3集
それはマンハッタンから始まった
~噴き出した大衆社会の欲望が時代を動かした~
第4集
ヒトラーの野望
~人々は民族の復興を掲げたナチス・ドイツに未来を託した~
第5集
世界は地獄を見た
~無差別爆撃、ホロコースト、そして原爆~
第6集
独立の旗の下に
~祖国統一に向けて、アジアは苦難の道を歩んだ~
第7集
勝者の世界分割
~東西の冷戦はヤルタ会談から始まった~
第8集
恐怖の中の平和
~東西の首脳は最終兵器・核を背負って対峙した~
第9集
ベトナムの衝撃
~アメリカ社会が揺らぎ始めた~
第10集
民族の悲劇果てしなく
~絶え間ない戦火、さまよう民の慟哭があった~
第11集(最終回)
JAPAN
~世界が見た明治・大正・昭和~
別巻 ~歴史の舞台を巡る~
サントラCD ~映像の世紀~
DVD