国際フォーラム1999/12月号インターネット版

主な記事を紹介します。

国際ふぉ〜らむ 1999.12.31発行

1.みなさんアフリカに来てください!

2.我が家にルカヤがやってきた

3.アフリカ青年達との出会い

4.トルコの経済成長


[津山と世界を結ぶ会からのお知らせ]

みなさんアフリカに来てください!

 津山で有意義な日々を過ごしたアフリカ青年26名は、広島・京都の見学旅行を終え、12月7日(火)に関西国際空港(関空)からそれぞれの国に帰っていきました。
 帰国前日の6日(月)は大阪のJICA大阪国際センターで評価会と閉講式があり、津山からもスタッフ5名が参加しました。センターには大阪で研修した女性教員グループと青森に行った理数科教師グループもいましたが、どちらの受入グループからも出席したスタッフは1〜2名で、津山のグループだけが多く、青年たちはよけいに別れが辛くなったようです。
 午後、青年たちは飛行機に積み込む制限重量20sの荷物造りに悪戦苦闘していました。「超過料金が1sにつき10万円」と聞かされればねえ。出発時には服を何枚も何枚も重ね着している人もいました。幸い日本航空(JAL)はアフリカ諸国との友好関係を考慮して、かなりオーバーしている人からも超過料金を徴収しなかったようですが。
 夜遅くなって薄暗い廊下の突き当たりで最後の簡単なお別れ会をしました。ちょっとしんみりした会になりました。「俺達は21ヵ国から来ているんだから、毎年1つの国に来ても21回アフリカに来れるよ」「21の国に家族がいるんだから、安心しておいでよ」「ぼくらもまた日本に来れるように努力するから、絶対アフリカにきてよ、待ってるよ」「帰ったら中央病院のような病院を造るんだ。ま、あれよりはずっと小さいけどな。見にきてくれよ!」……
 翌朝、青年たちは3つのグループに分かれて関空へ向かいました。着膨れした人もバスに乗る前に手提げ袋が破れてしまった人もいました。自国に戻れる安心感と日本を去る寂しさが皆の顔に見て取れました。
 「さよなら、今度はアフリカで!」


我が家にルカヤがやってきた

(編集中しばらくお待ち下さい)
アフリカの人達は陽気です

アフリカの衣装は鮮やかです


アフリカ青年達との出会い

 はじめに断っておくが、以下の文章において私は人種差別的な感情を持っているわけでもないしそれについて述べているわけでもない。

 青年達に出会ったとき「うわー、やっぱり黒いな」とあらためて思った。日本、それも津山の様な田舎にいるとめったに黒人に出会うことが無い。国際化が進んで、いわゆる在日の外国人以外にも出会う機会は多くなったが、黒人それもある程度多数の人数を目にすることはまれである。そこで出てきたのが冒頭の感想である。

 青年達の国籍はさまざまで、黒人ばかりではないがやはり黒人には違和感を覚えるのは仕方が無い。

 10年ほど前、僕はアフリカを旅行していた。そしてある国で僕は市内バスに乗った。その天井はやけに高かった。たぶん小柄な日本人ではバスの天井にある手すりにつかまることはできないに違いない。
今回のアフリカ青年達も大柄な人が多かった。いや多かったというよりそれが彼らの平均的なものなのだろう。
国や部族によって全く違うのを無視して論じていることをお許し願いたい。しかし総じて日本人に比べて大柄であるといってもいいのではないだろうか。

 アジア特に東南アジアでは当然ながら背丈も肌の色も日本人と大差ない人々に出会うことができる。
それに引き換えアフリカの人々はどうだろう。
もし世界がこれほど近くなければ、それはやはり異質なものあるいは恐ろしいものとして写るに違いない。

 僕がアフリカを旅したとき、ずっと感じたのはこのことだった。アフリカの中にいると、自分はちっぽけで色も違い、絶えず違和感・緊張感を持たざるを得なかった。勿論O氏の様に長く暮らせばそんな事は慣れてしまうのだろうが、短期の旅行者には無理だった。

 それはさて置き、アフリカ青年達と語っているとアフリカの雄大さが思い浮かんでくる。ほんとにちょっとだけ旅した僕でさえ、惹かれてしまう何かがある。政治が必ずしも安定せず、砂漠化や各種の病気などさまざまな問題があるが、あの黒い大陸には底知れない魅力がある。かつて欧州列強が植民地にしたため無意味な国境線が引かれているが、彼らのパワーを結集したらすごいエネルギーになりそうな気がする。陽気なアフリカ音楽とともに次のミレニアムはぜひ彼らに大きくはばたいてほしい。

上原 愛一


トルコの経済成長

 以前の家主(元公務員)曰く、
「昔は私のように外国人などに部屋を貸して家計の足しにしていた人はアンカラには殆どいなかったけど、今はとても増えた。皆経済的な理由から貸したがっている。」
ということで、前回のフォーラムでも書きましたが、間借り人募集は新聞の広告でも探すことが出来ます。そして引っ越し。さてどうなることやら。
 実は引っ越して1カ月、新しい家の同居人から借金の申し出をされました。(彼女も公務員です。)
何も知り合って間もない学生に、しかもガイジンに頼まなくても良いのに。余程お金に困っているのでしょうけれど。(ほら、日本では「借金って格好悪い」って、あるじゃないですか。)彼女が特別困っているのか、それとも公務員の給料が安すぎるのか。(ちなみに公務員の給料は約240ドル程度らしい)
 確かに私が知る限り、トルコ人の話題には税金とか値上げとか、お金に関する話題が多いようです。それは政治に問題があり過ぎるのでしょうか。それとも単に美意識の違いで、お金が無いことをこぼすのは恥ずかしいことではないということなのでしょうか。
 今トルコでは国産の家電メーカーも増え、テレビなどでのCMも手伝って家電製品を揃えるのが庶民のささやかな夢です。テレビでは(かつての日本のように)他愛のないクイズなどで車や家電製品が当たる番組が多いし、結婚時には「白い家具たち」ということで冷蔵庫、洗濯機、食器洗い器、ガスレンジなど家電製品一式を揃えたがります。しかしお金がないのに月賦で家具を買い揃える人が多いらしく、挙げ句に借金を払えない人も多いと聞きます。(まあこのあたりは日本でもカード破産などの問題がありますが)
 経済成長を謳ってヨーロッパ連合(EU)への加盟候補国になりましたが、庶民の生活は依然厳しいようです。(この国の貧富の差は日本以上だと思われます。)そしてどうも商品の普及に庶民の生活費が追いついていないように思われるのですが、どうでしょう。それとも経済とは過剰供給しながら需要を増やしそれが生産効率を上げて経済成長につながるのでしょうか。

 この度EUの加盟候補国になれたことはかなりの朗報だったようです。しかしやはりと云うか、動物愛護を掲げるEU加盟国の一部から「クルバンバイラムでの動物のほふり方が残酷」という批判が起こりました。
 それは確かにそうかもしれませんが「文化の違い」などとして取り合わないのかと思っていたら、宗教関係職の長たる人々が「通りや広場で、子供の目の前でするのはよくない」と、その批判を肯定していました。これからは人目につかない所で行われるのでしょうか。確かに通りのあちこちで衆人の目前で動物をほふるのは残酷かもしれません。しかし「日頃食べている肉が何処から来ているのかを学ぶ機会でもある」などとよそ者の私は考えていたのですけれど。

 この国は結構クリスマス商戦が盛んです。12月になって新聞の折り込み広告や商店のウインドーの飾りは明らかにクリスマス用のものが増えました。
 ラマザン(今年は12月9日から)という禁欲の期間に物欲を刺激するというのも難しいでしょうに。それにしても日本のクリスマス商戦には及びませんが、唯一神であるイスラムの国であることを思えば意外なほどです。ヨーロッパ連合を意識して今年がとりわけそうなったのでしょうか。24日のある新聞では大統領が公式にクリスマスを祝った旨が記されていました。もちろん共和国始まって以来のことです。(逆にキリスト教を信仰する国々でもイスラム教のラマザンやバイラムを少しは意識しているのでしょうか。)
 トルコも経済を重視して理念よりも実(じつ)を採り始めたということでしょうか。「武士は食わねど高楊枝」でいるよりも、例えば過去には「名誉白人」と揶揄されながらも経済の実を採ってきた日本人の経済至上主義を見習って(?)いくのでしょうか。トルコはどうなるのでしょう。

 それでは交流会の皆様、よいお正月を。そして来る21世紀が一人一人にとって素晴らしいものでありますように。人間って、希望と共にしか生きられない動物ですよね。

村上 育子


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